バッグやベルトなどもそのまま回収(郵便局の「PASSTO」/写真提供=日本郵便)
持続可能な社会の実現に向けて、各社でさまざまな取り組みが行われている。
そのうちの一例が、不用品などの回収ボックス。
たとえば、家電量販店では小型家電や電池、インクカートリッジなどを回収しているが、そのほかのお出かけスポットにも回収ボックスの設置が増えている。
回収ボックス利点は、少量でも回収されるため、持ち込む側の負担が軽減できること。
リサイクルを習慣化するための入口としては、とても重要な存在なのだ。
以下、身近にある3つの回収拠点を紹介しよう。
【郵便局】不要品は青いPASSTO(パスト)に投入
不要品は青いPASSTOに(写真提供/日本郵便)
郵便局に「PASSTO」という衣料品、ファッション雑貨の回収ボックスが設置されているのをご存じだろうか。名前の由来は「次の人に渡す、未来に渡す=PASS TO」を短縮した造語だ。
環境ベンチャー企業の『ECOMMIT』と郵便局が協力し、2023年4月に渋谷局(東京)と流山局(千葉)の2か所でスタート。東京、千葉、神奈川、大阪で合計35局に設置(2024年6月1日現在)されており、昨年度は10tを超える不要品を回収した。
ショッピングモールなどのほか、東京・豊洲にある大規模マンションの共用部分にも大きな「PASSTO」を2023年5月に設置。これまで毎月300kg以上が回収されているという。
「たくさんの衣料を回収拠点に持っていくのは大変だけど、出かけるついでにボックスに入れられて便利。断捨離が進みます」と住民は話す。
設置は無料。定期回収してくれるので、手間がかからず導入しやすいと設置拠点は拡大中だ。
【対象】トップス、ボトムス、ジャケット、コートなどの衣類や、ベルトやバッグなどのファッション雑貨など
【場所】回収ボックスの設置場所は、PASSTOのホームページで確認できる
【高島屋】衣類やコスメを常時回収、アップサイクル商品も
高島屋では、衣料品やコスメを、それぞれ店頭で通年回収
百貨店の高島屋では、サステナブルな循環型社会の実現を目指したプロジェクト「Depart de Loop」の一環として、衣料品やコスメを、それぞれ店頭で通年回収している。
回収したコスメは、アップサイクルプロジェクト「COSME no IPPO」を通して、クレヨンに再生。デニムは、繊維製品の大手メーカー「クラボウ」のアップサイクルシステム「L∞PLUS」を通して、ファッションブランドの「RED CARD TOKYO」や「JOHNBULL」の新作に生まれ変わっている。
【対象】衣料品全般。※制服類、肌着・下着類、着物・帯、バッグや靴などの雑貨、シーツや布団などの寝具は対象外
【場所】全国の高島屋の店舗内の回収ボックス(コスメは全国8店舗のみで常設回収)
【イオン】衣料品も日用品も積極回収
イオンのエシカルファッションブランド「SELF+SERVICE」では、自社販売品を店頭で回収
イオンでは、ステンレス製ボトルなどの日用品の回収を行っており、イオンのエシカルファッションブランド「SELF+SERVICE」では、自社販売品を店頭で回収している。
回収品は、綿状に戻し、別の製品や繊維に生まれ変わる「マテリアルリサイクル」を行うなど、リユース、リサイクルによりごみを少しでも減らす取り組みを行っている。
おしゃれを楽しみながら環境保護に参加できるのだからありがたい。
【対象】「SELF+SERVICE」で購入した婦人および子供衣料全般 ※下着、皮革・毛皮製品は対象外
【場所】東北を除く本州・四国にある「イオン」「イオンスタイル」の「SELF+SERVICE」店舗238か所にある回収ボックス
取材・文/山下和恵
※女性セブン2024年7月4日号
レジデンス向けの「PASSTO」は、マンションになじむナチュラルカラー(写真提供/ECOMMIT)