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なぜジェネリックは効かないのか…ついにわかった「原因」と避けたほうがいい薬の名前

クスリの「効き」が違う

品質の問題もさることながら、肝心のクスリの“効き”にも違いがある。

もし「先発医薬品とジェネリックは同じ」だと考えているのであれば、それは大間違いだ。

 

たしかにクスリの成分こそ同じではあるが、製造工程や添加物などが異なるため「完全に同じクスリ」とは言えない。

銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏はこう解説する。

 

ジェネリック医薬品と先発医薬品とを比較する際、厚生労働省の基準では『クスリが水に溶ける速度』が指標とされています。

この溶ける速度が先発薬と比べて80~125%以内であれば『効果は同じ』と見なされます。

 

逆に言うと、先発薬とジェネリックの最大の違いはこの水に溶ける速度なのですが、最大で45%もの幅があるので、その分効果も変わってきてしまいます」

 

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さらに長澤氏はジェネリックの「データ不足」を懸念する。

先発薬であれば特許期間は20~25年。

この間にさまざまな臨床データが集まり、副作用や飲み合わせの問題も明らかになってくる。

 

ジェネリック医薬品メーカーは、そうした現場のデータは一切持っていません。

また、先発薬とは異なる添加物を使っていることが多いので、ジェネリック医薬品に含まれている添加物がクスリの成分にどんな影響を与えているのかのデータもありません」(長澤氏)

 

先入観が効果を下げる

こうしたリスクを避けるために「出たばかりのジェネリックには要注意」と長澤氏は指摘する。

 

「たとえば尿酸値を改善するクスリであるフェブリクのジェネリック薬フェブキソスタットや、胃酸の分泌を抑えるネキシウムのジェネリック薬エソメプラゾールなどは'22年に発売されたばかりで臨床データが少ない。

 

これらのクスリを選ぶ際は慎重になったほうがいいでしょう」

 

成分が同じである以上、科学的には効果は同じであるはずだが、人間の先入観が邪魔をして、効果を下げてしまう場合もある。

 

いわゆる「プラセボ効果」というもので、「安いから効かない」「知らないメーカーだから効きが弱い」などの意識が実際に効果として出てしまうのだ。

 

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兵庫県立ひょうごこころの医療センター精神科部長の小田陽彦氏は「もしジェネリック薬を使っていて体調がすぐれなかったり、違和感があったりすれば、直ちに医師に相談すべき」と言う。

「痛みなどの主観的な症状は、先発薬からジェネリック薬に変えることで効果が変わってしまう場合があります。

 

クスリの名前や形が先発薬とは異なるので、違うクスリを飲んでいる感覚になるのでしょう。

そういった人が先発薬に戻すと症状が改善しますから、迷わず相談することをおすすめします」

 

次に薬局に行った際は「ジェネリックでお出ししますか?」という問いに「先発薬でお願いします」と言ってみるのもいいだろう。

 

 

週刊現代」2024年6月8・15日合併号より