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【紅麹サプリで問題視】「機能性表示食品」はアベノミクスの一環として登場 医薬品レベルの臨床試験は行われず、信用性が低いものも

消費者はまるで実験台だ(写真/PIXTA)

消費者はまるで実験台だ(写真/PIXTA

 

 

健康のため、体のためと思ってせっせと摂ったその1粒が、あなたを蝕んでいく──。連日、被害を訴える人の数が増えていき、原因はいまだに明らかになっていない「紅麹」をめぐる一連の問題。しかしこれは「氷山の一角」かもしれない──。

 

「紅麹」を原料としたサプリメントの摂取による健康問題。発覚から約半月が経った現在も、被害を訴える声が絶えない。

 

 製造・販売を行った小林製薬は、3月22日より使用注意を顧客に呼びかけ、関連製品の自主回収を開始したが、同社には約1万5000件以上の相談が寄せられ、混乱が広がっている。

 

 紅麹はサプリメントのほか、調味料や酒類、調理パンなどの原料としても約170社以上に供給されており、それらの商品の回収も始まっている。

 

「紅麹にはコレステロール値を下げる効果があるとされ、問題になったサプリメントにも《悪玉コレステロールを下げる》などと書かれていました。

 

小林製薬は記者会見で健康被害が起きた要因について、原料や製品に青カビから発生することがある『プベルル酸』という物質が含まれていた可能性が高いと発表したものの、特定には至っていません。

 

一方、紅麹を原材料に使用していても“小林製薬のものではない”と安全性を報告するメーカーもあり紅麹という成分そのものが問題ではないという指摘もある。

 

今後、充分な検証のもと、健康被害を訴える人たちへの救済がなされることが求められています」(全国紙記者)

機能性表示食品のずさんな実態

健康向上を目的に、ドラッグストアやネット通販で誰でもいつでも気軽に購入できるサプリメントを購入した結果、重篤な状態に陥り、最悪の場合、命まで失うことになる──あまりに不都合な現実だが、東京大学非常勤講師で『病気になるサプリ 危険な健康食品』の著書がある左巻健男さんは「今回の件は“氷山の一角”に過ぎない可能性がある」と指摘する。

 

「以前からサプリメントのリスクをめぐる問題は繰り返し議論されてきました。

形状だけみれば、錠剤やカプセルなので医薬品と同様だととらえる人が多いですが、有効性も安全性も薬とはまったく違う。

 

 有害物質を含んでいることもあるし、高齢者や持病のある人は特定の成分をサプリメントとして過剰に摂取することで健康被害を起こすことがあります」

 

 とりわけ左巻さんが問題視しているのは、効能や安全性の根拠が薄いまま商品が市場に並んでしまう現状制度のずさんさだ。