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注意すべき「サプリメント×薬」のみ合わせ 似たような作用を持つもの同士の組み合わせで「過剰摂取」状態になることも

(写真/PIXTA)

サプリメント×薬ののみ合わせには注意が必要(写真/PIXTA

 

 

成人女性の実に4割近くが摂取しているサプリメント

健康だけでなく、美容や持病の症状改善などさまざまな効果を期待して手に取る一錠も、のみ合わせを間違えれば、思わぬ健康被害を招きかねない。

注意すべき薬との組み合わせ例を紹介する

サプリメントは60代がもっとも摂取

 小林製薬サプリメント「紅麹」による健康被害で、安全性や効果効能への疑念、副作用のリスクなどが改めて注目されている。

 

 サプリメントそのものの安全性や効果について考えることと同じくらい、もしくはそれ以上に大切なのが薬や食品との「のみ合わせ」だ。

 

 銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘さんが言う。

「加齢とともに、関節の痛みや不眠、肥満など体の不調は増え、改善しようとサプリメントに手を伸ばす人は少なくありません。

また、持病を抱え服薬しながらサプリをのむという人も珍しくない」

 

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、サプリメントを摂取している割合がもっとも多かったのは男女ともに60代だった。

 

紅麹問題で死亡した5名も、うち4名が70〜90代で、3名には既往歴があったと報じられた。長澤さんが続ける。

 

サプリメント単体の安全性や副作用に気を配っても、薬や食べ物とののみ合わせによる相互作用で危険な症状が表れることもある。場合によっては命にかかわることにもなりかねません」

カルシウムで不整脈から心不全

そこで本誌・女性セブンは、厚生労働省総合医療情報サイト(eJIM)や専門家への取材などをもとにサプリメントと薬、食品、そしてサプリメント同士の注意すべきのみ合わせをリストにした。

 まず気をつけたいのは薬とののみ合わせだ。

 

やってはいけない「サプリメント×薬」

やってはいけない「サプリメント×薬」

 

 

「薬の多剤併用は危険だという意識は高まりつつありますが、“サプリメントは薬ではない”と考え、薬と多種類のサプリメントを同時に摂取する人は少なくありません。

 

かかりつけの医師や病院に、日頃のんでいるサプリの摂取について伝えないと思わぬ健康被害を招きかねません。

 

 たとえば高血圧や糖尿病などで血液の流れが悪くなり、血栓ができるのを防ぐために抗凝固剤を処方され服用している人が、症状を改善しようとEPADHAサプリメントを摂るのは危ない。

EPADHAには血液をサラサラにする効果があるので、抗凝固剤の作用を増長させ、出血しやすくなり、脳出血を引き起こす可能性もあります」(長澤さん)

 

 薬剤師の三上彰貴子さんも、薬とサプリメントの併用に警鐘を鳴らす。

「年を重ねると高血圧の症状を抱えて降圧剤を処方される人は多い。

 

ただしDHAセサミンなどを同時に摂ると降圧剤の作用を高めて急激な血圧低下をもたらし、めまいやふらつき、転倒のリスクがあります」

更年期のサプリは過剰摂取に注意

 女性の場合、閉経とともにホルモンが変化し、骨粗しょう症になりやすい。骨を強くしようとカルシウムを含んだサプリをのむ際には注意が必要だ。

 

更年期障害不妊治療などでホルモン剤を服用している人は、大豆イソフラボンとののみ合わせは避けた方がいい。両者には同じような作用があるため、過剰摂取になって体調を崩すことがあります。乳がんなどの治療をしている人も避けてください。

 

また、骨粗しょう症薬として活性型ビタミンD3製剤を処方されている人はカルシウムをサプリで摂ってはいけません。

カルシウムが過剰に吸収されてしまい、倦怠感や食欲不振などの症状を伴う高カルシウム血症や、不整脈から心不全を引き起こす恐れもあります」(三上さん)

 薬の作用を強めて危険をもたらすものもあれば、その逆もしかり。

 

「風邪や感染症抗生物質を処方された際には、カルシウムやマグネシウムなどのサプリメントはのまない方がいい。

体内でキレートという構造を作り、充分な薬の効果が得られなくなります」(長澤さん)

 

 いま自分がどんな薬、そしてサプリをのんでいるか、まずはおくすり手帳で管理することから始めよう。

 

取材/小山内麗香 写真/PIXTA 監修/長澤育弘さん

 

※女性セブン2024年5月9・16日号