吉田元所長死去 「英雄的献身」を忘れまい
2013/07/11 03:34更新
このニュース記事のカテゴリはコラむです。
記事本文
【主張】
水素爆発を起こした1号機への海水注入をめぐり、中断を求めた東電本店の命令に背いて、吉田さんは独断で注水の続行を指示した。
注水を止めていれば、燃料溶融がさらに進んだ可能性があった。当時、原子力安全委員会委員長だった班目(まだらめ)春樹氏も「吉田元所長の働きがなければ、さらに最悪の事態も考えられた」と話した。
極限状況の現場で、吉田さんは冷静に炉の冷却が最優先と判断し注水を続けた。その決断とリーダーシップを、改めて評価したい。そして、一人の男の職責への使命感や矜持(きょうじ)が窮地を救った事実を記憶にとどめたい。
独断は英断になるとは限らない。むしろ悪い結果につながるケースの方が多いだろう。本店の意向を無視し、偽装工作までした吉田さんの行為は、本来なら許されるべきではないかもしれない。
しかし、当時の官邸と東電上層部は意思疎通を欠き、指揮系統も判断も混乱していた。現場の判断を貫いた吉田さんに救われたのは、官邸や東電幹部の方だ。
吉田さんの闘う姿は、作業員の結束力にもつながった。
吉田所長が亡くなったというのに、
メディアの取り上げ方が少なすぎるよ!!!