2024年度の平均保険料は「月額7082円」、約8%の増額へ
【後期高齢者医療制度】2024・2025年度の値上げが決定! 都道府県別の一覧表で保険料モデルを確認© LIMO | くらしとお金の経済メディア
2024年4月1日、厚生労働省が後期高齢者医療制度の保険料率を公表。
結果的に、2024年度・2025年度ともに引き上げとなります。
同じく年金額も増額改定となりましたが、物価上昇率に追いついていないことから実質的な目減りと捉えられています。
そんななか保険料が値上げしてしまうと、家計が苦しくなる高齢者が出てくるかもしれません。保険料率などはどのように推移しているのでしょうか。
本記事では、公表された後期高齢者医療制度の保険料率を確認します。記事後半では、年金収入が195万円の人の保険料目安から、都道府県別の保険料の違いについてみていきましょう。
「後期高齢者医療制度」の対象者は誰?
国民皆保険の日本では、誰しもが公的な健康保険制度に加入します。
なかでも「後期高齢者医療制度」は、原則として75歳以上のすべての人が加入する公的な健康保険制度です。
この他、一定の障害があると認定された65歳以上の人も、他の健康保険と比較して任意で加入できます。
〈加入対象となる「障害手帳」の度合い〉
・身体障害者手帳:1級から3級までと4級の一部
・愛の手帳:1,2度
・障害年金:1,2級
・精神障害者保健福祉手帳:1,2級
一般的には、いずれか有利な方の保険に加入することになります。
後期高齢者医療制度の運営は、各都道府県に設置された「後期高齢者医療広域連合」が行っており、すべての市町村が加入しています。
保険料を知りたいときは試算してもらえるので、一度お近くの自治体窓口に相談してみましょう。
後期高齢者医療制度の保険料は2024年度に改定
2024年4月1日、今年度の後期高齢者医療制度の保険料率が決定しました。
厚生労働省の発表によると、被保険者一人当たり平均保険料額は、全国平均で下記のとおりです。
2024年度:「後期高齢者医療制度」保険料率と全国平均
・被保険者均等割額の年額:5万389円
・被保険者均等割額の月額:4199円
・所得割率:10.21%
・平均保険料額の年額:8万4988円
・平均保険料額の月額:7082円
2022年度~2023年度は平均保険料額の月額が6575円だったので、7.7%の増加となりました。
2025年度:「後期高齢者医療制度」保険料率と全国平均
・被保険者均等割額の年額:5万389円
・被保険者均等割額の月額:4199円
・所得割率:10.21%
・平均保険料額の年額:8万6306円
・平均保険料額の月額:7192円
上記はあくまでも全国平均。実際の後期高齢者医療制度の保険料は、下記の2種類の保険料で個別に計算されます。
・均等割額:被保険者が均等に負担する保険料
・所得割額:被保険者の前年の所得に応じて負担する保険料
ちなみに、2023年度の厚生年金額(※国民年金の受給額を含む)は、全体平均で14万3965円。男性平均が16万3380円、女性平均が10万4686円でした。
次の章では、年金収入195万円、つまり年金による月収が「約16万円」の人をモデルとして、全国の保険料を比較してみましょう。
【都道府県別一覧表】後期高齢保険料を全国で比較、一番高いのはどこ?
ここからは、年金収入195万円の人の保険料(月額)を都道府県別に確認していきましょう。
【2024年度】後期高齢保険料の都道府県ランキング
【写真全2枚中1枚目】年金収入195万円の人の2024年度の保険料例。2枚目は2025年度で比較© LIMO | くらしとお金の経済メディア
・全国:5411円
・北海道:6025円
・青森県:5170円
・岩手県:4583円
・宮城県:5025円
・秋田県:4808円
・山形県:5017円
・福島県:4937円
・茨城県:5125円
・栃木県:4883円
・群馬県:5317円
・埼玉県:4858円
・千葉県:4775円
・東京都:5044円
・神奈川県:5213円
・新潟県:4633円
・富山県:5033円
・石川県:5409円
・福井県:5458円
・山梨県:5685円
・長野県:4845円
・岐阜県:5167円
・静岡県:5033円
・愛知県:5858円
・三重県:5212円
・滋賀県:5119円
・京都府:5886円
・大阪府:6211円
・兵庫県:5812円
・奈良県:5667円
・和歌山県:5808円
・鳥取県:5608円
・島根県:5345円
・岡山県:5500円
・広島県:5211円
・山口県:6124円
・徳島県:5792円
・香川県:5617円
・愛媛県:5460円
・高知県:5833円
・福岡県:6357円
・佐賀県:5967円
・長崎県:5508円
・熊本県:6196円
・大分県:6184円
・宮崎県:5458円
・鹿児島県:6275円
・沖縄県:5913円
もっとも高いのは福岡県で6357円。もっとも低いのは岩手県で4583円です。
【2025年度】後期高齢保険料の都道府県ランキング
【写真全2枚中2枚目】年金収入195万円の人の2025年度の保険料例© LIMO | くらしとお金の経済メディア
・全国:5673円
・北海道:6325円
・青森県:5415円
・岩手県:4808円
・宮城県:5216円
・秋田県:5042円
・山形県:5283円
・福島県:5056円
・茨城県:5358円
・栃木県:4991円
・群馬県:5567円
・埼玉県:5067円
・千葉県:5008円
・東京都:5355円
・神奈川県:5440円
・新潟県:4850円
・富山県:5033円
・石川県:5573円
・福井県:5458円
・山梨県:6003円
・長野県:5156円
・岐阜県:5400円
・静岡県:5275円
・愛知県:6117円
・三重県:5475円
・滋賀県:5371円
・京都府:6180円
・大阪府:6495円
・兵庫県:6134円
・奈良県:5833円
・和歌山県:6125円
・鳥取県:5892円
・島根県:5618円
・岡山県:5758円
・広島県:5438円
・山口県:6408円
・徳島県:6033円
・香川県:5892円
・愛媛県:5719円
・高知県:6100円
・福岡県:6641円
・佐賀県:6250円
・長崎県:5792円
・熊本県:6259円
・大分県:6509円
・宮崎県:5675円
・鹿児島県:6592円
・沖縄県:6410円
もっとも高いのは福岡県で6641円、もっとも低いのは岩手県で4808円となりました。
後期高齢保険料は年金からの天引きとなります。そのため年金の手取り額に影響が出ることを覚えておきましょう。
また、同じ年収でも都道府県によって保険料が異なるため、年金の手取りが変わる点にも注意してください。
老後も続く保険料・税金の負担を考慮して
本記事では2024年度・2025年度の後期高齢者医療制度の保険料率や保険料例を確認しました。
少子高齢化が進む日本では、今後も保険料の引上げが続く可能性があります。
年金から天引きされるお金は、後期高齢の保険料だけはありません。
所得税や住民税、介護保険料(75歳未満の方は国民健康保険料も)なども年金からの特別徴収となっています。
リタイア後の年金生活に入っても保険料や税金の負担は続いていきます。
ゆとりある老後を送るためにも、今のうちから老後資金の計画を立てておきましょう。
参考資料
・厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
・日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」