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【自転車運転の取り締まり強化】「スマホながら運転」「傘差し運転」などの交通違反 「青切符」には反則金、「赤切符」には厳罰が科される可能性

「傘差し運転」などは罰金対象になる可能性も(Getty Images)

「傘差し運転」などは罰金対象になる可能性も(Getty Images)

 

 通勤や通学で新たに自転車に乗り始める人や、暖かくなってサイクリングを楽しむ人が増えるこの季節、子供の自転車事故も増加傾向にある。

2023年までの5年間、自転車に乗った小学生や中学生、高校生が死亡したり、重傷を負ったりした事故について警察庁が調査したところ、月別の死亡・重傷者数は、1~3月が947人なのに対し、4~6月は1479人にのぼった。

 

 自転車は、車やバイクと同じ“車両”。にもかかわらず、免許が不要なため、きちんと交通ルールを学ばず、気軽に乗る人が多いようだ。

 

青切符」と「赤切符」で取り締まり強化

 下記の行為を見てほしい。

これらは、特に重点的に取り締まられる予定の自転車による交通違反だ。

【これらの運転はすべて違反です!反則金5000~1万2000円が科せられる可能性あり】

●信号無視
●一時停止不停止
●例外的に歩道を通行中、徐行しない
スマホ・携帯電話を使用しながらの運転
●車道の右側通行(逆走)など通行区分違反
●遮断機が下りた踏切への立ち入り
●ブレーキがきかない自転車に乗る
●傘差し運転
●イヤホンなどで周囲の音が聞こえない
●横断歩道を渡る歩行者を妨害
●緊急車両の妨害
●二人乗り
●無灯火
●並走
●駐停車違反

【以下3件は赤切符刑事罰) 厳罰が科されることも】

●酒酔い運転


スマホ・携帯電話を使用しながら事故につながる危険な運転をする


●あおりなどの妨害運転

 3月に閣議決定された道路交通法の改正案によると、今後16才以上の自転車運転者に対し、上記を含む約110の違反を犯した場合、「青切符」が適用され、5000~1万2000円の反則金が新たに科される可能性があるという。

 

赤切符」に該当する3つの違反については、さらに重い罰が科されることも(たとえば酒酔い運転で、5年以下の懲役または100万円以下の罰金)。

 

交通事故の総数は減少、自転車事故は増加

 ではなぜ、自転車による交通違反の取り締まりが厳しくなるのか。

「近年、交通事故自体の件数は減っているのに、自転車関連の事故の件数は増加しているからです」とは、自転車活用推進研究会理事の疋田智さんだ。

 

 警察庁の調べによると、2023年度の自転車関連事故は約7万2339件で、前年より2354件増え、自転車乗用中で事故死した人も前年比7人増の346人となった。

子供の事故だけでなく、自転車事故全般の件数が増加しているのだ。

 

「これまでも、上記にあげたような交通違反についての罰則はありました。たとえば、傘差し運転が原因で歩行者などにけがをさせた場合、本来は刑事責任と民事責任を負う可能性があり、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金などが科されてきました。

 

ところが、これらの罰則が実際に科されたことはほとんどありませんでした。

悪質な違反運転をし、さらに警察の注意を無視するなどして、3年以内に2回捕まると、『自転車運転講習』を受けなくてはなりませんが、その程度で済まされてきました」(疋田さん)

 

 このままでは交通違反が増える一方だということで、「青切符反則金)」制を導入。

罰則の金額自体は低くなるが、取り締まりは強化していく狙いがあるようだ。これまで通り、見逃されると思ったら大間違い。

 

ルールを頭に叩き込んでおこう。

 

 

【プロフィール】
疋田智さん/自転車活用推進研究会理事。自転車に関する著述活動で知られる自転車ジャーナリスト。博士(Ph.D.環境情報学)。学習院大学東京都市大学、東京サイクルデザイン専門学校などで講師を務める。『自転車の安全鉄則』(朝日新聞出版)ほか著書多数。

取材・文/前川亜紀 イラスト/飛鳥幸子

 

 

※女性セブン2024年5月9・16日号