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【最新版】申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト52

今年度からスタートした給付金や補助金にも注目(写真:イメージマート)

今年度からスタートした給付金や補助金にも注目(写真:イメージマート)

 苦しい経済状況が続く中、政府は低所得者を支援するため、新たな給付金を設ける方向で検討に入った。光熱費の高騰が予想される8月には電気・ガス料金の補助も再開される見通しだ。ニュースとして報じられたもののほかにも「こんなことにも申請するだけでお金がもらえるの!?」と驚く制度がたくさんある。“知らないと損する”最新リスト52を公開する──。

 

 止まらない物価高に賃上げも年金支給額も追いつかず、家計が困窮する中で頼りになるのが「申請すればもらえるお金」だ。

 

生活保護や失業保険、高額療養費制度といった幅広く知られている制度に限らず、日常生活のあらゆる場面で給付を受けることができる。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが語る。

 

「病気や失職などマイナスの出来事に限らず、引っ越しや求職、出産など人生の節目ごとにもらえるお金や使える制度はいろいろある。

実際、給付金検索サイトで探すと、自分の住まいのある自治体では市独自のものだけでも70件以上の給付金等がありました。

 

 ライフイベントに応じた制度は全国各地で用意されており、その中から自分に合ったお得なものを賢く見つけることが大切です」

 

 最適な給付金を見つけ出し、申請するのはいまが絶好のチャンスと語るのは、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんだ。

 

「多くの給付金や補助金は新年度が始まって少し経った6月からスタートすることが多い。利用要件やしめ切りがある制度も多いので中身をきちんと把握して狙いを絞り、早めに動くことが鉄則です」

 

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【住まい】

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【住まい】

節水型トイレに2万円、高断熱浴槽に3万円

 数多の「もらえるお金」の中でも専門家がすすめるのは、今年度より始まった経済産業省の「給湯省エネ2024事業」。

2024年度中に省エネ性能の高い給湯器を購入すると補助金がもらえる制度だ。

 

「近年は省エネやエコが給付金のトレンドです。金額は給湯器のタイプなどで異なり、『エコキュート』は8万円~、『ハイブリッド給湯器』は10万円~、『エネファーム』は18万円~。

 

給湯器は交換のタイミングが難しいですが、古い給湯器なら補助金を利用して省エネタイプに変えると、光熱費も抑えられて一石二鳥です」(丸山さん・以下同)

 

 昨年末には国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」も始まっている。

「省エネ住宅の新築や購入に加えて、リフォームする際にも補助金が出る。

 

リフォームは子育て世帯・若者夫婦世帯以外の一般世帯も受給でき、節水型トイレに2万円、高断熱浴槽に3万円などの補助があります」

 

 高齢化社会で多くの人が不安を抱く介護や医療に関する金銭サポートも少なくない。介護される側が使える施設利用に関する助成金や、介護する側が覚えておきたい休業給付などさまざまあるため、リストをよくチェックしてほしい。

ただし、誰が対象者となるかは要注意だ。社会保険労務士の岡佳伸さんが語る。

 

「例えば介護のため休業する際、給料の一部が補填される『介護休業給付』は親や配偶者、子供や孫、配偶者の父母など2親等以内の家族が病気や要介護状態になることが要件となり、継父母(父母の後添え)や義祖父母の介護は対象外です。

 

妻が夫の祖父母を介護する場合、介護休業給付を受けられるのは夫や夫のきょうだいに限られ、妻は受けられません」

 

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【生活】

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就職支援制度で学び直して稼ぐ

 超高齢化で長くなった老後を生き抜くには、「手に職」をつけた方が有利。その際も「もらえるお金」を有効活用したい。都内在住の女性・Aさん(58才)がうれしそうに語る。

 

「夫の定年退職を機に一念発起してパートを辞め、『教育訓練給付制度』を利用して介護福祉士の資格を取りました。

これから介護職は引く手あまたですし、これで夫がいつ倒れても大丈夫(苦笑)。この年齢で新たなやりがいができてワクワクしています」

 

 岡さんは制度を活用して資格を取るならば、「インバウンド関連」に着目してほしいと話す。

「今後もインバウンド需要は増える見通しなので、さまざまな就職支援制度を利用して観光ガイドや地域ガイド、通訳などのスキルを身につければ長く稼ぐことができます。50代や60代でも学び直しは充分に可能です」(岡さん)

 

 長く働くためには健康であることが第一条件となる。長野県在住の会社員・Bさん(41才)は、各種健康保険の「女性検診助成制度」に救われた。

 

「30才のときに不正出血が続き、知人に教えてもらった制度を利用して子宮頸がんの検査を受けたら、ステージ0のがんが見つかりました。

幸い早期発見だったので手術で完全に切除できました。

検査を受けていなかったらと考えると背筋が凍ります」(Bさん)

 

 ほかにも「人間ドック助成」や「がん治療助成」などがあるので、制度を上手に使いたい。

 

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【仕事】

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都市部では「子育て」、地方では「人を集める」ことへの支援

 ユニークな制度が多いのは各自治体が実施する「ご当地制度」だ。黒田さんが言う。

「東京都台東区の給付金等は96件あり、都内でトップ。

福祉や支援が充実しており、子育てでも就学援助やにぎやか家庭応援プランによるお祝い品などの独自制度がある。

 

 ほかにも東京都渋谷区の『ハッピーマザー出産助成金』は子供1人当たり最大10万円が、すでにある出産育児一時金にプラスされるなど、自治体ごとにオリジナルの支援があります」

 

 都市部は子育てに特化した支援を打ち出す自治体が多く、授業料や学習面などに関する制度が多い一方で、過疎化に悩む地方は「人を集める」ことへの支援が目立つ。

 

「地方への引っ越し費用の援助や家賃補助、Uターン補助が際立ちます。北海道秩父別町には、故郷に戻るきっかけを作るため、同窓会の参加者1人当たり1000円(上限3万円)を補助する『ふるさと回帰同窓会開催補助金』があります。岡山県高梁市などにも同様の制度があります」(黒田さん)

 

 

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【子育て支援】

最新版 申請すればもらえる「補助金」「助成金」「給付金」リスト【子育て支援

シニアのスマホ買い替えで上限2万円の補助

 国に比べて、自治体の補助はより細やかでバラエティーに富んでいる。

「東京都台東区では、日中の建築物への蓄熱を抑制するため、太陽光を反射する塗料を屋上や屋根に塗る『高反射率塗料施工』を行うと上限15万円が助成されます」(丸山さん)

 岡さんが着目するのは「シニアのスマホ買い替え」に関する制度だ。

 

「東京都文京区にはスマホを初めて購入する高齢者に上限2万円を補助する『シニア世代スマホデビュー応援補助金』があります。

この先、給付金の通知や申請などもスマホ経由が多くなるので、この機会に制度を使ってスマホデビューするのが得策です」

 

 お得な制度を有効に利用するには、情報収集が欠かせない。

自治体のホームページや「区報」、「市政だより」をこまめにチェックして、目新しいものはメモやスクラップをしておこう。

 黒田さんのおすすめは『Zaimわたしの給付金』というウェブサイトだ。

 

「住まいの自治体の給付金一覧が見られるうえ、年齢や家族などのプロフィールを登録すれば、条件に合致する給付金が自動的に抽出されます」(黒田さん)

 絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。

 

【※注/この企画で紹介した制度は2024年6月24日時点のもので変更・廃止になる場合があります。

 条件や内容は自治体や機関などによって異なる場合もあるため、詳しくは各窓口に確認してください。】

 

 

※女性セブン2024年7月11・18日号