秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚が間近に迫る中、小室さんの母・佳代さんが詐欺罪で刑事告発された。佳代さんには2つの「不正受給」の疑惑がかかっている。
まずは遺族年金の不正受給疑惑だ。
佳代さんは2002年3月に夫の敏勝さんを亡くし、直後の4月から遺族年金を受給してきた。しかししばらくして、自宅マンションで20才ほど年上の彫金師の男性と同棲して事実婚関係になり、その関係は5年ほど続いたという。
「遺族年金は、残された方が新たに再婚したり事実婚となった場合、受給の権利を失い『遺族年金失権届』を出さなければいけません。佳代さんは、権利を失ったにもかかわらず、その5年間で届けを出さなかったばかりか、その後も変わらず受給し続けているそうです。
長期間にわたる“詐取”にあたる可能性が出てきています」(全国紙記者)
もう1つの疑惑は、傷病手当の不正受給疑惑だ。傷病手当とは、病気やけがによって働けなくなったときに、勤務先が加入する健康保険組合から受給できる手当だ。
「組合にもよりますが、満額で給与の3分の2が受給できるケースが多いです」(前出・全国紙記者)
佳代さんは2018年春、適応障害を理由に正社員として勤務する老舗洋菓子店を休むようになった。そして、洋菓子店が加入する東京都洋菓子健康保険組合から、支給期間の最長と定められている1年半にわたって傷病手当を受け取っていたとされる。
「しかしこの間、佳代さんは知人が経営する軽井沢にある喫茶レストランのホールやバックヤードで働いていた時期があるとされています。
軽井沢のトップシーズンである夏の間だけ働き、いったん横浜に戻り、また翌2019年夏には同じ喫茶レストランで働いていたそうです」(皇室担当記者)
佳代さんが働いていた店(移転後、閉店)の近隣の人に話を聞けば、
「東京のお店では休みを取って、こっちに来てることは知っていましたよ。
『仕事ほったらかして、軽井沢まで来てるのよ』って当時から有名でしたもの。軽井沢は東京と往復している人も多いでしょう。だから、すぐ噂になっちゃうのよ」
「私の知人が、3年前の夏にその喫茶レストランに行ったときに佳代さんに給仕されたようなんです。
見慣れない背の高い女性で、しかも髪の毛が重い感じに横に広がっていてね。それに少し特徴的なお顔立ちでしょう。
そのときは、似ている人がいるんだなって思ったけど、後から報道があって、やっぱり本人だったんだと思ったらしいわ」
と、次々に出てくる。適応障害のため働けないから傷病手当を受けていたはずなのに、別の場所で働いていたとなると、どうなるのか。
社会保険労務士の光嶋卓也さんの解説。
「休職前とほぼ同じ業務内容でほかで働いていれば、不正受給と判断される場合があります。
病欠を理由に本来の職場で加入した保険から傷病手当金をもらっていたことになるので、形式的には保険金詐欺ということになるでしょう。故意に嘘の申請をしていたとすると、刑事事件となる可能性もあります」
告発状によれば、佳代さんは傷病手当として合計300万円あまりを受け取っていたという。
逮捕された前例も
「東京・霞が関にある東京地方検察庁に告発状を持っていったのは10月6日16時頃です。こちらから何も聞かないうちから“この書面は資料と一緒に本日中に特捜部に渡します”と預かりになりました。
東京地検の事務官の対応には、かなりのやる気を感じました。『預かり』になったので、具体的に捜査をするかどうかの検討に入っていることは間違いありません」
そう話すのは、刑事告発を行った当事者のジャーナリスト、篠原常一郎さんだ。
今回篠原さんは「直告」と呼ばれる、警察を通さずに検察に直接訴える手段を選んだという。被害者本人が処罰を求める「告訴」とは異なり、「告発」は第三者が特定の犯罪について処罰を求める行為。
では、なぜ篠原さんはわざわざ佳代さんを告発するに至ったのか。
その理由を篠原さんはこう説明する。
「今回の結婚は、個人の結婚の自由を超えた、大変なことになったという思いで見守っていました。
すると、佳代さんに遺族年金と傷病手当の不正受給という不法行為があった疑いがあることがわかりました。
不正受給は詐欺であり、刑事犯に問われる犯罪です。
疑惑がこれだけ報道されているのですから、本来であれば警察や検察が動くべきですが、皇室への忖度が働いてなのか、まったく動きが見られません。
ですから私が告発するという判断をしたのです。皇室への忖度によって犯罪がもみ消されてしまっては、皇室に対する信頼が失われることにもなってしまいます」
この結婚は国民の関心も高い事象だけに、眞子さまの結婚相手の母親を告発するという行為は、売名のためのパフォーマンスと受け取られる可能性もあったと篠原さんは振り返る。
そこで、綿密な調査を行った末に、告発に踏み切ったのだという。
まず、遺族年金について。
「自殺した佳代さんの夫は公務員だったので、公開されている給与表を見れば給与額がわかります。それを基に、知人の社会保険労務士とともに遺族年金の額を正確に算出しました。夫が亡くなった2002年3月の翌月から今年2021年4月分まで受給していたとすると、佳代さんが受け取った遺族年金は累計で約2600万円に上ります。
しかし、受給開始からしばらくして男性と同棲を始め、生計を一にしていたとされますから、この段階で受給の資格を失っていたことになります。
ところが、佳代さんは『失権届』を出していません。この届けを一度出すと、仮に相手と離婚した場合でも、遺族年金の受給が再開するものではないので、本来受給すべきではない期間は20年近くとなっています」
この期間の受給が詐欺に当たるという。
「詐欺は時効が10年なので、不正受給期間の約20年間のうち、10年ほどの罪を問うことはできないでしょう。それでも1300万円ほどの返金の義務が生じますし、それに応じていないと刑事事件の対象になり得ます」
そう言って、篠原さんはこう付け加える。
「遺族年金には、18才未満の子供がいると加算される制度があります。圭さんが18才になるまでの間は圭さんの分も支払われたので、圭さんも無関係とはいかないですよね」
もう1つの傷病手当については、洋菓子店を休んでいる間に、軽井沢で給与を得ていたかどうかは問題ではないと篠原さんは主張する。
「専門家にヒアリング調査したところ、“働けるほど回復していたという事実”の方が重要なのだそうです。佳代さんは洋菓子店に正規雇用されていて、傷病手当を300万円以上受給していたことから、これは明確に詐欺が成立します」
そう認められれば、佳代さんは遺族年金約1300万円と、傷病手当約300万円を、返金しなくてはならなくなる。篠原さんは今回の告発の内容に自信を見せるが、それは“前例”がすでにあるからなのかもしれない。
「大阪で2011年、傷病手当金の詐取を図ったイベント企画の会社経営者ら3名が逮捕される事件が起きました。
打撲によって働けなかったと虚偽の申請をしながら、別の場所でイベントコンパニオンとして働いていた。このときは、健康保険協会が刑事告訴して逮捕されたのです」(前出・光嶋さん)
つまり、傷病手当詐欺が刑事事件になったケースはすでに存在しているということだ。
果たして、小室家の命運を握るこの刑事告発はどこへ行き着くのだろうか。元検察官で弁護士の郷原信郎さんがこの先を見通す。
「告発が受理されたら、告発状に記されている犯罪事実を検察が捜査して、起訴・不起訴の判断をします。2009年に検察審査会の強制起訴という制度が導入されてからは、いったん受理してから不起訴処分にした場合、検察審査会に持ち込まれるので、事件の処理が厄介になってしまいます。
ですから、できるだけ水際のところで告発をお引き取り願おうという傾向が強まっているのも事実です」
つまり、受理されない可能性もあるというのだ。
『返戻』という対応で、警察署等に相談することをご検討してくださいと書いてありました。不受理としてバッサリ切ることもできたのに、それをしなかった。
さらなる証拠を集めて再提出する所存です。告発の手は緩めるつもりはありません」
金銭トラブルも未解決の小室家に生じた新たな火種は、どんな結末を迎えるのだろうか。
※女性セブン2021年10月28日号