身の回りのさまざまな製品には、品質や性能などに関する「表示」が数多くある。たとえば、2016年の繊維製品品質表示規程の改正により、国際規格となった洗濯表示。「タンブル乾燥」や「酸素系漂白剤」など、新しい洗濯記号が追加され、かつ温度設定や干し方などの指定も細かくなり、従来の22種類から41種類に増えた。
消費者庁は、「表示が変わることで、一般消費者の利便性の向上が期待できる」(2016年当時)というが、5年経ったいまも、消費者からは「まだ覚えられない」「まるで暗号」との声がある。
とはいえ、落ち着いて見てみると、基本の記号を覚え、強弱、温度の高低を組み合わせれば解読は至って簡単だ。数字による温度表記は、これまでは『40℃がよい』という推奨表示だったのが、『40℃以下なら損傷を起こさない』という「上限表示に変更」(消費者庁)がなされているので注意を。海外サイトでのショッピングも増える中、覚えておいて損はない。
【基本の記号】
洗濯記号の基本は5つの基本記号に、数字や付加記号を組み合わせて洗濯方法を表示する。記載する順番は、家庭洗濯→漂白→乾燥→アイロン→クリーニングとなっている。
【強さ】
洗濯の強さに関する表示は、基本記号の下に付加する、洗濯機で洗う際の強さを表す記号。線の数が増えるほど弱く洗う指示となる。
【温度】
温度に関する表示は、点の数により、タンブル乾燥(ヒーターを弱→強へ)やアイロンの温度(低温→高温へ)を示す。数が増えるほど、温度が高くなる。
【禁止】
禁止事項に関する表示は、家庭での洗濯不可、漂白剤の使用不可、アイロン不可などの禁止事項を示す。
この洗濯機号の意味、わかりますか?
以下、具体的な洗濯記号を7つピックアップした。その意味が分かるだろうか。答えと解説を紹介しよう。
【1】家庭での洗濯機洗いで、温度の上限は40℃までということを表している。
【2】白い△は、塩素系漂白剤、酸素系漂白剤のどちらも使えるという印。斜線が2本加わると、色柄ものにも使える酸素系漂白剤のみが使用できるという意味に。
【3】タンブル乾燥(ドラム式洗濯乾燥機等、洗濯物を回転させながら温風で乾燥するもの)禁止という意味。
【4】脱水した後、平らな場所に“平干し”をすることを表している。
【5】アイロンを高温(上限200℃まで)でかける。ちなみに、点が1つなら低温(上限110℃まで)、点が2つなら中温(上限150℃まで)となる。
【6】ドライクリーニングの指示(Pは、パークロロエチレンなどの溶剤の頭文字。頭文字がFの場合は、石油系溶剤を使用するという意味)。
【7】ウエットクリーニングができる(プロの水洗いと仕上げによる洗濯)という表示。
※女性セブン2022年1月1日号