ヒグマと自撮りしたオマール・ファラン・ジンさん(オマール・ファラン・ジンさんのフェイスブックから)
イタリア人バイカーがルーマニアで、野生のヒグマと自撮りした後、襲われてかみ殺された。イタリア紙イル・ジョルノが先日、報じた。
空港職員のオマール・ファラン・ジンさん(48)は休暇中、ルーマニアのトランスファガラシャンの荒れた道を、雄大な自然と登録されている112頭のヒグマに囲まれながらバイクで旅した。
ルーマニアは、ヨーロッパ大陸最大のヒグマの生息地で、熊害(ゆうがい)が多いとされている。それでも毎年、ヨーロッパ中からヒグマを見に、餌をやるために何千人もの観光客が訪れるという。ジンさんもその一人だった。
ジンさんのスマホの画像データによると、3日に少なくとも2頭のヒグマに遭遇し、4日に同じ場所に戻ってきたとみられる。
ジンさんにとって不運だったのは、子連れのヒグマに遭遇したことだ。どうやら子連れのヒグマがいる駐車場に車を止め、餌を与えようとしたようだ。
殺害される前に、ヒグマの動画や写真を撮影し、フェイスブックに投稿した。「クマだ!なんて美しいんだ!こっちに向かってくるんだ」というのが、事実上、最後の言葉となった。
ヒグマはジンさんに襲いかかり、約60メートルも渓谷に引きずり下ろし、ゆっくりとかみ殺した。他の観光客がその恐ろしい光景を目の当たりにし、通報した。
救助活動は徒労に終わり、ルーマニア当局によって追跡されたヒグマは安楽死させられた。