道草の記録

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「これは別次元…」家系ラーメン好き50代男性、引っ越し先の近所に店舗がなく悲しんでいたところで出会った“救世主袋麺”「マルちゃんZUBAAAN!」に感じる袋麺の超進化

 

 

昨今の袋麺のクオリティの高さに驚き(筆者が自宅で作った「マルちゃんZUBAAAN!横浜家系豚骨醤油」)

 

 

自宅で手軽にラーメンが食べられる袋麺。昨今はそのレベルも進化しており、「有名ジャンルのラーメン店の味」を提供する商品も増えている。そうした商品はスーパーやコンビニエンスストアなどの流通経路に乗って全国のラーメンファンを楽しませているところだが、現在佐賀県在住のネットニュース編集者の中川淳一郎氏もその恩恵に預かっているという。

 元々横浜発祥の「家系ラーメン」が好きな中川氏だが、自宅の近くには家系のラーメン店がない。そんな中、東洋水産「マルちゃんZUBAAAN!横浜家系豚骨醤油」という袋麺を知り、すっかりハマるようになった。中川氏がZUBAAAN!の味わいを踏まえて感じた、昨今の袋麺の進化についてレポートする。

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 東洋水産は「マルちゃん正麺」でも相当ウマい袋麺を出していると感じましたが、ZUBAAAN!を食べて「あっ、これは別次元に行ったな」と感じました。このブランドは「お店品質の一杯、完成。」を謳っていますが、横浜家系豚骨醤油の他にも「背脂濃厚醤油」「旨コク濃厚味噌」「にんにく旨豚醤油」「豚骨魚介中華そば」「博多豚骨ラーメン」があります。

「にんにく旨豚醤油」についてはラーメン二郎をイメージしていると思われますが、他のラインナップについても、東洋水産の社員が好きなラーメン屋の味をいかに再現するか、ということを考え抜いた上で作ったと思われるクオリティです。

 さて、私の一番のお気に入りは「横浜家系豚骨醤油」ですが、これは本当に自分の人生で巡り会えたNo.1の袋麺です。元々家系ラーメンは麻布・二の橋にあった「笑の家」のラーメンに感激した後、駒場東大前・池尻大橋の「侍」でギョーテンし、とにかく毎週家系ラーメンを食べるようになった時期があったほどハマっていました。

 しかし、佐賀県唐津市に居を移すと、近くに家系ラーメン店がない! そんな中、私の救世主となってくれたのが「ZUBAAAN!横浜家系豚骨醤油」です。

 

 

「横浜家系らーめん 侍」のラーメン

 

 

食べ終わる寸前には寂しくなる家系ラーメンの魅力

 家系ラーメンは濃厚な豚骨醤油スープで、店では麺の固さ・タレの濃さ・鶏脂の多寡を選ぶことができ、基本の具はチャーシュー・ホウレンソウ・ネギ・海苔です。

「もっともライスに合うラーメン」という言われ方もし、大食漢はライスを頼み、卓上(カウンター上)のキュウリの漬物と豆板醤をライスに乗せ、それをスープに一旦漬けた海苔で巻いて食べたりもします。

 

私の場合、大抵は「ホウレンソウ増し・煮卵トッピング」にするのですが、毎度食べ終わる寸前になると寂しくなってしまうほど家系ラーメンが好きでした。

 それが、食べられなくなった!と嘆いていたらこのZUBAAAN!を見つけ、以来ハマっています。

 とはいえ近所では、あまりZUBAAAN!が売っているのを見かけない。関東圏と比べて佐賀では「家系ラーメン」の知名度が低いのも影響しているのか、なかなか買えないのです。私の嘆きを知っている友人たちは、時々出先から「○○(ドラッグストア名)で売ってますがいりますか?」と電話をかけてきてくれるようになり、私も「お願いします!」と甘える生活です。

 最近も京都の友人が20袋送ってくれました。その後、福岡出身の別の友人が穴子とアジを釣ってきたのでお礼にZUBAAAN!を渡したら非常においしかったとのこと。「まだありますかー?」と言われ、次の穴子とZUBAAAN!3袋を交換することになりました。彼も家系ラーメンの味わいをいたく気に入ってくれたようです。


友人が送ってくれた「マルちゃんZUBAAAN!横浜家系豚骨醤油」

 

 

 

それもこれも、近くに「家系ラーメン」がなかったから
 さて、ZUBAAAN!家系豚骨醤油ですが、これの良いところは麺が80gと腹八分目で収まるぐらいの量になっているところです。スープは粉と液体と両方あり、この2つを混ぜることで家系に近付くのです。昨今、家系直系の店で修行した人からすれば雨後のタケノコのように出てくる家系チェーンは「工場スープ」と若干見下されている面もあるようです。

 

実際飲み比べてみると直系の方が確かにウマいと思う。でも、チェーン店もそれなりのウマさを感じます。ZUBAAAN!は「工場スープ」に近付くレベルにはなっています。

 

 

筆者がどハマリ中の「マルちゃんZUBAAAN!横浜家系豚骨醤油」

 

 

 作り方はマルちゃんが推奨するように、ゆで始めから1分で麺をひっくり返し、3分で麺をほぐします。スープについては、丼に入れてからお湯だけを入れるよう指導されていますが、私は液体スープが全体の温度を下げるのがイヤなのと、なんとなく脂分は火を通したいので鍋に入れてしまいます。


 具は、満を持して行きつけの屋台かラーメン屋で手に入れた美味なるチャーシュー、半熟卵、ネギ、茹でたホウレンソウ、そしてみじん切りの生タマネギです。ホウレンソウは冷凍ものを使うとラクです。元々家系で生タマネギってあまり見なかったのですが、最近は卓上の無料トッピングとして採用する店も多く、ここにも家系ラーメンの進化を見て取れます。

 調味料や薬味としては、店に倣い生姜(チューブだけど)、ニンニク(同)、豆板醤、炒りゴマ、胡椒を入れます。家系は太麺ですが、ZUBAAAN!はそれも再現されており、遠く佐賀の地から東京の家系ラーメンに思いを馳せるには十分な味わいとなっているのでした。

まさか齢51にして袋麺にハマる日が来るとは思ってもいませんでしたが、それだけの実力をこのラーメンは持っています。

 

それもこれも、近くに「家系ラーメン店」がなかったから発見できたことだと思えば、「ない」ことで広がる世界もあるんだな、としみじみ思う次第です。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。