テレ朝news によるストーリー
エアコンの室外機の盗難が相次いでいることを受けて、政府は取引の際に本人確認などを義務付ける対策強化に動き出しました。
【画像】狙われる「室外機」 盗難、転売防止のために買い取り時の本人確認義務化へ
エアコン「室外機」盗難相次ぐ
去年9月、滋賀県内のかつて飲食店だった建物で撮られた写真。指を差す場所には直前まで室外機がありました。
室外機盗難の被害者
「友達から電話がかかってきて『室外機なくなっているがどうした?』と言われた」
配管は乱暴に切り取られています。男性はすぐ警察に通報しましたが、こう言われたといいます。
「(警察は)『犯人が分かることはもう絶対ない』と。犯人の手がかりが何一つない、捜査のしようがない」
事件から半年以上が経ちましたが、犯人は分からず、室外機は一緒に盗まれた給湯器とともにまだ見つかっていません。
背景にあるのは、内部に使われている銅などの価格高騰です。
警察が「独自シール」で容疑者逮捕
まだ6月にもかかわらず、異例の暑さに襲われる日本。急にエアコンが使えなくなれば、命の危険に直結します。
警察も頭を抱えています。
銚子警察署 生活安全課 奥田雅彦課長
「(室外機の)被害が止まらない。止まらないけどどうしようもない」
銚子市内だけでも、直近2年で60件ほどの被害が出ています。
銚子警察署 刑事課 齊藤祐紀係長
「証拠はほとんど取れない。室外機自体、ハサミで切られると(業者に)持っていくだけなので、指紋を取りようがない」
そんななか、署員らで話し合って決めたある対策が犯人の特定につながりました。
奥田課長
「そこで思いついたのが、この防犯登録のシール」
1年ほど前から、このシールを市内の住民に配って回りました。もし盗まれた時に、シールの番号からどこの誰の家の室外機なのかを特定するためです。
すると今年3月。同じ千葉県内で金属買い取り店に持ち込まれた50台の中に、このシールが貼られた「室外機」を発見。そこから容疑者を特定して逮捕につながりました。
それ以降、銚子市内では室外機の盗難は起きていません。
奥田課長
「夏に入る前に捕まえることができて、すごく良かった」
買い取り時「本人確認」義務化へ
政府も対策強化に乗り出しています。室外機の買い取り業者に対して今年10月から、本人確認などを義務付ける方針を固めました。
これで盗難は減るのでしょうか?
千葉県 スクラップ買い取り業者
「(Q.本人確認強化の効果は?)あると思います。私どもの(客は)ほとんど車で来ますから、免許証が提示できないことはまずあり得ない。規制が強化されれば、それなりの入り口というか、持ち込まれたところでチェックはするでしょう」
(「グッド!モーニング」2025年6月30日放送分より)