コメダ珈琲店の全店値上げ前にコーヒーチケット購入者が続出
名古屋を拠点に、現在1000を超える店舗を全国展開しているコメダ珈琲店。各メニューのボリュームが大きいということもあり、そこに魅了されるファンは少なくない。そんなコメダ珈琲店も原材料費やエネルギーコスト、物流費等の高騰に伴うものとして、6月26日から「値上げ」に踏み切ったが、その直前には前売り回数券であるコーヒーチケットの買いだめに走った人も多かったようだ。
コメダ珈琲店に限らず、6月はベローチェや珈琲館なども値上げを発表しており、大手コーヒーチェーンの値上げはもはや全国的な流れ。コメダ珈琲店は店舗によりメニュー価格が異なるものの、値上げに関しては全店が対象となる。
ただし、チケットについては「値上げ後も追加料金なし」。
つまり、チケットを購入しておけば、値上げ前のお得な価格で対象メニューを注文できるということになる。
チケットには5枚つづりと9枚つづりがあり、東京都内のある店舗では一杯580円の商品に対し、5枚つづりだと一杯あたり520円、9枚つづりが477円というお得度。値上げ前に“買いだめ”をした人は少なくなかったようで、店員に聞いてみると「駆け込みでチケットを買う人は多かった」と話す。買う層については、「仕事場や打ち合わせとしてコメダを利用する30代ぐらいの男性や、主婦層も多かった」とのこと。今後も間違いなくコメダ珈琲店を利用する人にとっては追加料金なし、期限もないというのはたしかに“買い”ではあっただろう。実際にチケットを駆け込み購入した人たちに、購入冊数と値上げについての感想を聞いてみた。
「コーヒー一杯に600円超えは厳しい」
「9枚つづりを3冊買った」と言うのは、都内のIT企業に勤務する女性(20代)だ。コメダ珈琲店は、「落ち着いた雰囲気で、仕事に集中できるのがいい」という。
「時々値上げしていて、以前値上げされたときも確か5枚つづりを2冊買いました。リモートワークの時に利用したり、休日に友人とゆっくり話したりと、いろんな用途で絶対行くので、せめてもの節約というか。もともと通常サイズのコーヒーは400円ぐらいのイメージだったのに、今はもう600円近くする。値上げ後は620円になるそうです。
3冊使い終わってもなんだかんだ利用するとは思うけど、コーヒー一杯に600円超えは厳しいなと。マクドナルドとか、もう少し安いところに寄ることが増えるかもしれません」
神奈川県郊外に住むパート勤務の女性(50代)は、「値上げ前にコーヒーチケットを5冊買っておいた」と話す。
「うちの近くのコメダ珈琲は広い駐車場があるので、車で行って、近所の人たちとよくお茶をするんです。新聞や雑誌もあって、ゆっくりくつろぐのにもちょうどいい。おしゃれすぎず、ファミレスほどうるさくなくて重宝しているんです。値上げは悲しいけど、コメダは量もたっぷりだし居心地もいいから仕方ない」
チケット10冊買ったという猛者も
都内在住、WEBPR会社に勤める男性(40代)は、コーヒーチケットを「合計10冊買った」という猛者だ。
「駆け込み需要を見越してか、値上げ前にコーヒーチケットのセールをやっていたので、“爆買い”です。最初3冊買ったんですけど、どうせ持っておけばいつか使うことを考えると、やっぱりもっと買っておいたほうがいいような気がして、追加購入を繰り返してしまいました。
値上げはもちろんイヤだけど、他のコーヒーチェーン店でも値上がりはしているし、コメダはたまごドッグとかシロノワールのようなスイーツ系とか、フードメニューのボリュームを考えると、まだまだコスパはいいほうかなと。何より、普通なら値上げ分の差額を払うことになってもおかしくないのに、それがないというのは素晴らしいですよね」
値上げを避けられないなかでも、コメダ珈琲店のコーヒーチケットに関する柔軟な対応は、コメダ側の顧客への誠実さの表れともいえそう。そんなコメダの姿勢を評価しつつ、愛好者は愛好者で、賢い利用を考えているようだ。
ある店舗での、コーヒージェリーとアイスコーヒーを組み合わせた「ジェリコ元祖」と「手づくりたまごドッグ」
各店舗で告知が行なわれた