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医師がシニアに「肉を食べろ」という理由…60代で「みるみる老けこむ人」と「若々しく活気がある人」の決定的な差

 

(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

「年を取ったら肉は控えるべき」そう思っていませんか? 年齢を重ねると、健康診断の数値が気になり、あっさりした食事を選びがち。しかし、その常識があなたの健康寿命を縮めているかもしれません。

 

平均寿命が延びるなか、長く健康でいることは、人生を楽しむ時間が延びるうえ、介護・医療費を抑え、高齢期の経済的困窮リスクに備えることにもつながります。本記事では、保坂隆氏の著書『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)より、シニアが肉を進んで食べるべき理由について解説します。

シニアは進んで肉を食べるべき
高齢になってくると、「肉を食べる気にならない」という人が少なくありません。健康診断でコレステロール中性脂肪などの数値が高いと指摘され、気にしているのかもしれませんし、実際、消化するのに時間がかかって、胃もたれしてしまう人もいるのかもしれません。

また、これまで「肉食過多は認知症になりやすい」と言われてきたことも肉を避ける理由のひとつではないでしょうか。しかし、肉食過多については、主に欧米のデータに基づき研究されてきたものです。欧米人の肉の摂取量は日本人の比ではありません。

 

欧米のレストランで肉料理をオーダーすると、テーブルに運ばれてくるのは「これで1人前なの?」と目を疑うほどのボリュームだったりします。あれだけの量の肉を日常的に食べていたら、いろいろ健康面の問題も出てくるのだろうと思いますが、日本人の多くは、欧米の人ほどの量を食べているわけではなく、食べすぎることを心配する必要はないでしょう。


適量の肉を食べると、良質のタンパク質を摂取でき、それにより脳細胞はもちろんのこと、全身の筋肉細胞が丈夫になります。つまり、高齢になってからも肉を食べれば、体の衰えを食い止めてくれるわけです。さらにいえば、寿命を延ばす効果も期待できるということです。

では、どれくらいの量を食べたらいいのか気になりますね。男性は1日60グラム、女性は50グラムといったところでしょうか。おそらく、それくらいなら食べられるはずです。

ただし、肉ばかり食べればいいわけではなく、肉の1.5倍から2倍程度の野菜も一緒に食べるようにしてください。ちなみに、元気いっぱいの人は男女を問わず、肉をしっかり食べています。作家として精力的に執筆し、全国各地で講演していた瀬戸内寂聴さんも、95歳を超えても200グラムのステーキを召し上がっていました。

たんぱく質でやる気を起こす
体を若々しく保っていても、「なんとなく、やる気が起きない」「なかなかモチベーションが上がらない」という人もいますね。その状態を「もう、いい年だから」とか「この年になって、今さら新しいことに取り組まなくてもいい」などと後ろ向きにとらえて受け入れていたとしたら、それは間違いです。

やる気や意欲をコントロールしているのは脳なので、やる気が出ないということは、脳の機能が低下している可能性があります。脳の中枢神経系に存在する神経伝達物質ドーパミンは、やる気や意欲を高める働きを担っています。そのドーパミンの主原料はたんぱく質です。やる気を起こすためには、まずは肉を食べることをおすすめします。


もちろん、肉だけ食べればいいわけではありません。野菜もしっかり食べるのがポイントです。また、アミノ酸の一種であるチロシンにも、ドーパミンを増やす効果があります。チロシンは、納豆やバナナ、アボカド、アーモンド、カツオなどに多く含まれています。緑茶に含まれるテアニンにも、ドーパミンを増やす働きがあります。テアニンを効果的に摂取するには、少しぬるめのお茶を飲むようにしてください。

ドーパミンのほかにも、脳内にはいくつもの神経伝達物質があるのですが、それらの働きを改善したり、活性化させるには、魚介類やレバーなどに多く含まれているビタミンB12が効果を発揮します。ビタミンB12には、活性酸素やホモシステインを取り除く働きもあります。

活性酸素が、がんや成人病、あるいは皮膚のトラブルなど、さまざまな病気を引き起こす原因になっていることはよく知られていますね。ホモシステイン代謝されずに蓄積すると、心筋梗塞脳梗塞を引き起こす動脈硬化の原因物質ですから中高年にとっては危険な存在です。

良質なたんぱく質をはじめ、ここに挙げた食品を積極的にとって、心も体も元気になりましょう。

 



保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック
院長

※本記事は『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。