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「絶対に出ません」知らない番号からの電話は断固「着信拒否」の人たち 「知り合いならLINEで連絡来るはず」…営業電話や詐欺への警戒心も高まる

知らない番号、出る?出ない?(イメージ)

知らない番号、出る?出ない?(イメージ)

 スマホの普及が急速に進み、知らない電話番号からの着信に出ない人が増えている。

ガラケー時代にはなかったLINEなどの無料通話アプリが主な連絡手段となったこともその一因だろうが、営業や詐欺を警戒して出ないという人も多いようだ。

「知らない電話番号からの着信には出ない」という人たちに、その理由を聞いた。

 

知らない番号は「オレオレ詐欺か営業」80代も警戒

 専業主婦のAさん(47歳/女性)は「知らない番号は大体が営業の電話なので、いつからか出なくなりました」と話す。

 

「なんとなく、どんな電話でも必ず出る習慣だったのですが、最近、『光回線を契約しませんか?』とか『ご自宅にウォーターサーバーを設置しませんか?』といった営業の電話が多くて……。

オペレーターに、『もうこの番号にかけてこないで』と伝えても、似たような他の番号から同じ内容でしつこく電話がかかってくる。

 

なかには本当に用事があるものもあるのかもしれませんが、出ることによる時間のムダと精神的な消耗のほうが大きくなってきました」(Aさん)

 80代になるAさんの母親も「知らない電話番号には出ない」という。

 

「年齢を重ねて知り合いも減っている今、固定電話にかけてくる人は家族や親戚以外いない。

一度出たら“オレオレ詐欺”みたいな電話がかかってきたこともあるし、最近は『総務省』を名乗って、“電話が利用できなくなる”といった迷惑電話もしょっちゅう。

 

総務省が一個人の家にかけてくるわけないじゃないですか。固定電話は在宅でも留守番電話にしています。

用事があるなら、もう一度かけてくるでしょ、というスタンスです」(Aさんの母親)

 

 実際、大手電話会社や総務省を騙る不審電話も確認されており、同省は「総務省監視管理室を名乗り、『電話を2時間後に使用停止にする』等の自動音声によりボタン操作を誘導する不審電話が確認されています。

 

総務省では、電話を停止することに関して、個人に電話をしたりすることは一切ありません。くれぐれもご注意下さい」と注意を呼びかけている。

 

 

「+597」からの発信は、スリナム共和国からの電話

「+597」からの発信は、スリナム共和国からの電話

「闇バイトの下調べかも…」必ず番号をネット検索する

 営業職のBさん(30歳/男性)も、知らない電話番号からの着信には出ないという。

「ある種の“防衛策”といいますか、もしかしたら詐欺や闇バイトの下調べかもしれないので……」とBさんは懸念を示す。

 

「去年、国際電話を使った詐欺電話が問題になったのもあって、出ないようにしています。というのも、実際海外からの変な番号で結構かかってきてたので、気持ち悪くて。

僕のスマホには伝言メモ機能があるので、もし本当に大事な連絡なら、メッセージを残すはずです」(Bさん)

 

 注意深いBさんは、昨今世間を騒がせている“闇バイト”への警戒もあり、知らない電話番号から着信があった場合、必ず電話番号をインターネットで検索するようにしているという。

 

「電話番号や企業の名前などから、その番号の情報を検索できるサイトがあって、そこには口コミが多数寄せられているんです。

 

 なかには『営業を装って、家族構成や住所、都合のいい日時を聞き出そうとしてきた。闇バイトの下調べかもしれない』といった報告もあるので、最近はより警戒して出なくなりましたね。

もちろん、真偽は定かじゃないですが、警戒するに越したことはないと思って。

 

 仕事の連絡であれば社用携帯にかかってくるはずですし、プライベートの連絡は主にLINEを使っています。

それ以外の場合は急用じゃないと判断していますし、『犯罪に巻き込まれるかも』と思うと、知らない番号からの着信には迂闊にでられません」(Bさん)

 

 

「知らない電話番号には出ない」こと

「知らない電話番号には出ない」こと

そもそも電話機能を使わない

 そもそも電話機能を使わない人も増えている。

大学生のCさん(21歳/男性)は、「周りの友人もLINEで連絡を取る人がほとんどなので、もともとの電話機能は使いません」と令和の“通話事情”を明かす。

 

「インターネット上の知人と実際に会う、いわゆる“オフ会”の相談ではDiscordで連絡を取ることも多いです。

遠くにいる人たちと大人数で相談する場合、一対一の電話機能は使い勝手が悪いので、普段の連絡手段もグループ通話機能があるものを優先しがちです」(Cさん)

 

 総務省によると、LINEの利用率は全年代で90%を超えている(2023年)。InstagramFacebookメッセンジャーでも通話はできるし、最近では、Xが音声通話機能をプレミアムユーザー限定で搭載したことも話題となった。

 

「使い勝手のいい通話アプリがたくさんあるので、相手や用途によって使い分けています。友人でもガチの携帯電話の番号を知らない人は多いかも。

というか、もはやそっちが鳴ったらびっくりするかもしれません」(Cさん)

仕事がらみで出ざるを得ないが…

 それでも、仕事がらみとなると出ざるを得ない場合は多い。

接客業のDさん(28歳/男性)は「電話帳に番号をいちいち登録するのは面倒なので、あまりしていない」と言いつつ、「知らない番号でも基本出ます」と答える。

 

「店舗責任者なので、急なトラブルがあったときなど、休日に電話がかかってくることが多々あります。

 プライバシーの観点からスタッフ用のLINEグループは作っていないので、連絡手段が電話しかない。ただ、やはりどういった番号からかかってくるのかは見ますね。

 

03や090、080などは仕事関係かなと思って出ますが、フリーダイヤル系は気が向いたら……という感じです」(Dさん)

 

 電話機能と無料通話アプリの使い分けが顕著になってきており、電話機能を使う機会が減っている人も多いだろう。そうしたなかで、あえて電話機能を使っているのには何か理由があるのか、と警戒する人も少なくないようだ。(了)