「今年の選考と出場交渉はいつになく大荒れでした……結局、目玉候補たちに次々と拒絶され、民放の音楽番組より地味な顔ぶれに。
担当者だけでなく、局全体がどんよりしています」(NHK関係者)
年末の風物詩、『NHK紅白歌合戦』。その出場アーティストをめぐって、NHKが苦杯をなめた。
「昨年は視聴率が過去最低という不名誉な結果に終わりました。
若者のテレビ離れや韓国系のグループが多かったなど、いろいろな要因が指摘されていますが、なんと言ってもSTARTO ENTERTAINMENT(以下、スタートエンタ)所属のグループが一切出場しなかった影響が大きいと言われました。
それだけに、今年はスタートエンタのアーティストの出場が至上命令でした。
特に、いまいちばん勢いのあるSnow Manに関しては『絶対に出させる』と厳命がくだり、猛アプローチをかけていたんです」(前出・NHK関係者)
しかし、蓋をあけてみれば、Snow Manどころかスタートエンタのアーティストは今年も出場ゼロ。NHKにとっては大誤算となった。
「昨年、旧ジャニーズ事務所の騒動の影響を受ける形で、紅白に起用されなかったスタートエンタの各グループは、ファンとの交流を求めて年末に動画配信を行い、大成功を収めました。
ファンとの新しい年越しの形を見つけた彼らにとって、手のひらを返したように出場をオファーしてくるNHKのスタンスは、あまりにご都合主義だと受け止めたのかもしれません」(芸能関係者)
さらに、スタートエンタ勢と同様、今年の目玉アーティストと目されたのがB’z。
彼らとの出演交渉も一筋縄ではいかなかったようだ。
「デビュー以来、年末年始は仕事を入れないというポリシーの彼らは、紅白に出場したことがありません。
現在放送中の朝ドラ『おむすび』の主題歌を担当していることもあり“今年こそは”とNHKサイドは出場交渉を継続しているようです。
しかし、現状は色よい返事はもらえず。ドラマの評判も芳しくなく、彼らほどの重鎮が、あえてドラマに連動して稼働する必要もないと判断したのでしょう」(前出・芸能関係者)
実際、彼ら以外にも紅白と距離を置くアーティストは近年、増加傾向だ。
「今年前半に放送された『虎に翼』の主題歌を歌ったことで出場が取り沙汰された米津玄師さんは、あれだけのヒットメーカーにもかかわらず、紅白は2018年の一度きり。
実力派人気バンドの『King Gnu』やヒゲダンの愛称で知られる『Official髭男dism』も今年は不参加。
『THE ALFEE』や『GLAY』ら、ベテラン勢の出場にはこぎ着けましたが、若返りに成功したとは言いがたい」(前出・NHK関係者)
一方で、NHKが送り続けたラブコールが実を結びそうな例も。
「今年、久しぶりにファンの前で歌唱を披露した中森明菜さんは、特別企画での出場が実現するのではないかと期待されています。
年末のファンクラブイベントの際に事前収録する案が検討されているそうです」(前出・NHK関係者)
家族が世代を超えて楽しめることが強みであった紅白は、この先も存在感を維持できるのか。いままさに過渡期を迎えている。
※女性セブン2024年12月5日号