新型コロナ対策のマスク着用について、政府は、3月13日から個人の判断に委ねることを決めました。
政府の方針を受けて、これまで、マスク着用を呼びかけてきた現場は、どう変わるのでしょうか?
3月13日から、マスクはつける?はずす?
長野市で聞きました。
(10代)「マスクをつけますね。今までもつけてきたし、多分これからも結構つけてる人は多いと思うので外しにくいっていうか」
(80代)「スーパーにはつけていきます」「恥ずかしくなっちゃう外すと。顔が見られるから」
(70代)「密集のところ以外は外しちゃう」「すぐ曇っちゃうしメガネが。好きじゃないね」
(20代)「つけているのに慣れすぎていて顔を出すのが逆に恥ずかしい」
(20代)「13日からは基本的にはもうずっと外して生活したいというか。人の顔が見えるって素敵なこと。人の表情が読めないので、普通に過ごしてるよりもやっぱり気を使うというか、コミュニケーションが取りづらかったので」
松本市に本社を置くアルピコ交通。
松本、長野、諏訪などのおよそ80路線でバスを運行しています。
(車内アナウンス)「新型コロナウイルス蔓延防止のため車内では、マスクの着用会話を控えていただくようお願いします」
会社では、アナウンスのほか、車内の掲示で乗客にマスクの着用などを呼びかけてきました。
マスク着用を巡っては、コロナ禍の3年間、利用者からさまざまな声が寄せられてきたといいます。
(アルピコ交通安全マネジメント推進室・檀原順志(だんばら・まさし)室長)「運転者からマスクしなさいってさんざん言われた、という意見もある一方で、どこどこの列に座ってる方はマスクしてないがいいのかというような意見が来るという状況がまだ続いている」
そうした中、政府は2月、新型コロナ対策でマスクをするかしないかは、個人の判断とするとの指針をまとめ、3月13日から適用することを決めました。
政府の方針を受けて、アルピコ交通では、乗客へのマスク着用の呼びかけを取りやめる方向で検討しています。
(檀原順志室長)「今の段階では、マスクの着用ご協力をお願いしますと呼びかけしてますがそういった案内についてはいったん中止にして、お客様個人の判断というのが基本なのでご自身に判断いただく形の方向かなと考えています」
一方で、運転手や窓口スタッフなどのマスク着用は継続する方針です。
(檀原室長)「感染、陽性ということになると何日も休んでもらわなきゃいけなくなり、戦力としてもダウンになるので、マスク着用を指示していく方向と思っている」
バスの利用者は…。
「個人の感覚によりますわね。私は高齢者だからマスクはします」
「バスの中はやっぱりつけますね。タクシーとか自分の車だったらつけないです」
「空いていたら外して、混んでたらつけるって感じ」
アルピコ交通によりますと、高速バスの主力路線=松本新宿線の乗客数は、直近のデータでコロナ前の5割程度にまで回復。
政府の感染対策の緩和を追い風ととらえています。
(檀原室長)「今年春からちょうどこのタイミングでコロナに対する考え方の基本的な部分が示されているので、今年は観光路線中心に相当お客さんに戻ってもらえるのではとかなり期待しています」
営業時間の短縮など、新型コロナの流行で深刻な打撃を受けました。
歓送迎会や卒業のシーズンを迎えたこともあり、このところ客足は全盛期の7割ほどまで回復しつつあります。
店では現在、カウンターと客席にパーテーションを設置。
入り口には張り紙で「マスク着用」を呼びかけています。
マスクの着用が個人の判断にゆだねられる13日以降の対応は?
(店主・宮入一郎さん)「玄関にはそうやって貼ってあるけれど、お客さんの意思に任せて、改めてこちらからそんなに『(マスクを)やってくれ』と強制的には言えないし」
店のスタッフのマスクは…
「従業員は2、3か月は様子を見ないといけないという感じ。『あそこ行ったらみんなマスク外していて、飛沫が飛んできそうでいやだ』なんて言われれば、それこそ響いちゃうんで」
従業員がマスクを外すのは、まだ難しいようです。
幼い子どもたちが毎日、大勢集まる幼稚園はどうでしょうか。
上田市の上田幼稚園の小林政徳園長は「感染がおさまってきているのでマスクをとりたいという願いは子どもたちも私たちも保護者も同じではないかなと思っています。ですのでそういう方向になるということはいいことだなと捉えてはいます」と話します。
およそ90人の園児が通う上田幼稚園では、現在、屋外など距離がとれる場合には基本的にマスクを外し、屋内での集会など距離が近くなる場面ではつけています。
13日以降は、徐々に緩和していく方針ですが、感染状況に応じて臨機応変に対応する考えです。
(小林園長)「コロナだけじゃなくインフルエンザが流行っていたり感染性胃腸炎が流行っているので保護者もそこは不安が残るのではないかなと思います。ですので線をひいてきょうからなしとか、きょうから全然やらないよということにはなかなかならないのではないかなと」
小林園長は、地域の人との交流や学年をまたいだ園児の交流など、子どもたちが学ぶ機会をいかに確保していけるかが今後の課題だと話します。
「この時期のこどもたちがやってほしい、体験してほしいということはありますので、それがコロナやマスクによって今まで阻害されてきたのがこの3年間だと思います。心を育むということではいろんな活動が必要だと思っているのでぜひそんな活動もしていきたい。どの程度できるかというのが今後の大きな課題」
SBC NEWS