「まとめ払い」したがるのには理由がある?(イメージ)
会社の同僚や先輩、仕事仲間との飲食シーン。会計時には、個別会計、あるいはそれぞれ出し合ったうえで払うといった方法があるが、「誰か1人が先にまとめて払う」というケースもある。
後で割り勘で精算すれば、それぞれの支払金額は変わらないようにも見えるが、実際には支払いする人の“密かな思惑”が見え隠れすることもあるようだ。
貯めたポイントをマイルに変換して海外旅行へ
IT企業に勤務する30代女性・Aさんの職場の先輩は、クレジットカードのポイントを目当てに「まとめ払い」にしたがるという。
「食事が終わると、勝手に会計を済ませて、『私、細かいお金持っていないから、クレジットカードで払っておいたよ』と事後報告。その後、みんなで割り勘した分を先輩に支払います。
最初は何とも思わなかったのですが、ふと、“もしかしてポイントを貯めようとしているんじゃないか?”と、その魂胆に気がついてしまいました」(Aさん)
Aさんは、「別にいいといえばいいんですけど、使い道を知ってしまってからは、なんだかなあという気持ちになってしまいました」と苦笑いだ。
「ある時その先輩は、『貯めたポイントをマイルに変換して、海外旅行へ行く』と言っていたんです。
だから、日々の買い物もなるべくクレジットカードで払っているのだとか。
そういうことを言わなきゃいいのに、一度聞いてしまうと、すごくケチな気持ちになってしまう自分がイヤになります(笑)」(Aさん)
「お釣り、細かいのがないから今度ね」
メーカーに勤務する40代男性・Bさんは、ある同僚が「勝手にまとめ払い」する習慣に、言いたいことがあるという。
「同僚は、何かと『俺がまとめて払っとくから』『一旦出しとくから』と言い出すんです。たしかにお店の立場に立てば、個別に会計されるよりラクなのかなと思って、いつも任せているのですが、正直、その後がすごく面倒です」(Bさん)
Bさんによれば、同僚には現金で渡すことになるので、いつも「割り勘よりは若干多め」に払ってしまうのだと明かす。
「同僚は、計算機を使って『980円』『850円』『2980円』とか、きっちり請求してきます。でも私は普段、基本的にキャッシュレス払いをするので、細かい小銭がない場合が多い。
お金を崩すのも面倒なので『1000円払うわ、釣りはいらない』みたいに、多く負担する羽目になることがほとんど。
一度『PayPayで送金したい』と言ったのですが、『クレジットカードしか使っていないから』と断られてしまいました。この“ちょい損”とともに、僕のモヤモヤも積もっています」(Bさん)
そんなBさんは、同僚から「お釣り、細かいのがないから今度ね」と言われたこともあったそうだが、“今度”はそれから半年以上経っても、いまだに来ていない。
割り勘しているのに領収書をこっそり受け取ろうとする
会計後の領収書の扱いも、難しい問題のようだ。フリーランスデザイナーの30代女性・Cさんが、「セコいなあ」と感じたエピソードを振り返る。
「フリーランスにありがちなのかもしれませんが、割り勘にしているのに、総額の領収書をもらおうとする人がいるんです。自分だけ“経費扱い”を目論んでいるということです。当時、一緒に仕事をしていた同業者の女性と2人で食事に行った時、私がトイレで席を外しているタイミングを見計らって、先に会計を済ませ、こっそり領収書をもらおうとしている場面に遭遇したことがあります。
奢ってくれるのなら別にそれでいいんですが、『払っといたよ。3000円でいいよ』みたいに請求されたので、思わず『今領収書もらってましたよね?』と確認してしまいました。だって、割り勘なら割り勘で私の分3000円の領収書がほしいなと思ったからです。結局、その人はお店から領収書は受け取らず、割り勘分を私がその人に払って、お店を出ました」(Cさん)
まとめて支払うことで、自分が“得”をしようとする――どこにでもある会計現場に見えても、さまざまな欲望が渦巻いているようだ。
(了)