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【独自】関係者「母は旧統一教会に献金1億円」、土地・自宅売却で破産…山上容疑者は教会トップ襲撃計画も

安倍晋三・元首相(67)が奈良市内で8日、街頭演説中に銃撃されて死亡した事件で、逮捕された無職山上徹也容疑者(41)の母親の宗教団体への献金総額が、1億円に上るとみられることが関係者の話でわかった。

こうした証言は捜査当局も把握しているとみられ、山上容疑者の強い恨みにつながった可能性がある。 

 

 宗教団体は「世界平和統一家庭連合」。1954年に韓国で文鮮明氏が「世界基督教統一神霊協会統一教会)」として設立し、妻の韓鶴子氏と共に総裁を務めていた。文氏は2012年に死去。日本では15年に名称が変更された。

 

 捜査関係者によると、山上容疑者の母親は、1998年頃に入信。99年6月に山上容疑者の祖父から相続した土地のほか、山上容疑者ら子ども3人と同居していた奈良市内の一戸建て住宅を売却した。2002年に破産宣告を受けているという。多額の献金が原因だったとみられる。

 山上容疑者は「母親は(同連合に)のめり込み、親族の土地も無断で売却した。家庭生活がめちゃくちゃになり、(同連合を)絶対成敗しないといけないと思った」と供述している。

 

 同連合は読売新聞の取材に対し、母親の献金額について「こちらから発表するものではない」としている。

教会トップ襲撃計画…来日時

 山上容疑者が県警の調べに対し、「母親が破産したので(世界平和統一家庭連合を)恨んでいた。韓国からトップが来日した際には、火炎瓶を持って襲おうとしたこともあるが、会場に入れず、できなかった」と供述していることが判明した。

 同連合によると、総裁の韓氏は2019年に愛知で開催された集会で来日したという。

 

 20年以降、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、山上容疑者は「コロナで海外渡航が途絶え、接触が難しくなった」と説明。県警が山上容疑者の自宅から押収したノートには同連合への恨みが書かれていたという。

 

 文氏が設立したNGOが昨年9月に開催した集会に安倍氏が寄せたビデオメッセージを山上容疑者はネットで見て、「安倍氏とつながりがあると思った。絶対に殺さなければいけないと確信した」と供述している。

 

 同連合の田中富広会長は、11日の記者会見で「(安倍氏が)連合の会員や顧問になられたことはない」と直接的な関係を否定している。