一言「すみませんでした」と言えばいいものを、いつまで経っても謝らない。それどころか自分の都合がいいように話をすり替える。そんな「絶対に謝らない人」が存在する──。
秋篠宮家長女・眞子さま(29才)と結婚を予定している小室圭さん(29才)は、これまで、母親の元婚約者との金銭トラブルなどに対し、充分な説明をしてこなかった
。4月8日に発表した、全28枚にもおよぶ文書で繰り返したのは、要約すれば「自分と母親は悪くない」という内容だった。
「“自分が悪いとは決して思わない”タイプの人が一定数います」と指摘するのは、精神科医の片田珠美さんだ。
「罪悪感を覚えることを徹底的に拒否する人がいて、これをドイツの精神科医クルト・シュナイダーは『ゲミュートローゼ』と呼びました。
思いやりや良心(ゲミュート)を持たない(ローゼ)という意味です。
反省も後悔も、良心がとがめることもないどころか、自己愛が非常に強い」
そう聞くととんでもない人のようだが、実は政治家や実業家、芸術家などの社会的成功者にも少なくないという。
「意思が強く、他人の屍を越えてすら進むことができる人だからこそ、成功するという側面もあります。
ただし、それが皇族の親族にふさわしいかは別問題です」(片田さん)
小室圭さんの場合、アメリカで法律の勉強をしていることも関係しそうだ。
認定心理士の脇田尚揮さんはこう分析する。
「謝罪すれば、責任をとらなければならないという側面がある。
特に法律の世界ではそうです。あえて謝らないことで責任を回避するという思考もあるのでしょう。
そういうタイプは、責めれば責めるほど頑なに謝りません」
謝らない人の特徴として、片田さんが次に挙げるのが“都合の悪いことはスパッと抜け落ちる”ことだ。
「小室さんの文書からは、専門用語でいう『暗点化』が読み取れます。
フランスの神経学者シャルコーが見出したもので、自分に不都合なことが意識からすっぽりと抜け落ちてしまう現象を指します。
小室さんは文書内で、元婚約者の『返してもらうつもりはなかった』という言葉に23回も言及し、強調しました。
しかし実は、その1年後に元婚約者から『返済してほしい』と告げられているのですが、文書ではまったく触れていません。
都合の悪いことは、頭の中でなかったことになってしまうのです」
「自己愛性パーソナリティー障害の特徴があると考えられます。
一般に、幼少期に愛情不足だった人が多いとされますが、違う背景も考えられる。
たとえば、過保護なお母さんに“あなたは天才よ”と言われ続けるわりに、勉強もスポーツもそんなにできず、友人からバカにされると、余計に虚勢を張るようになる。
それが自己愛性パーソナリティー障害を作り出すことがある」
絶対に謝らない人は、「男性よりも女性に多い」(片田さん)という。
「男性は間違った行動をすれば、会社や組織、ビジネスや社会の関係のなかで断罪され、自分の過ちに気づきやすい環境にあります。
一方で早くから家庭に入っていたり、ママ友づきあいや近所づきあいだけで、社会との接点が少なかったりする女性は、間違いに気づきにくく、謝罪の必要性も感じにくい。
身近なコミュニティーのなかで『あの人、謝らないよね』だけで済まされることが要因です」(片田さん)
「男性は仕事やお金などで社会的評価を確立して、自分のコンプレックスを払拭することができますが、女性は“同じようなランクの人”とつきあいがちで周囲からの承認を得づらい。
“強気の自分”を演じることで、自分のコンプレックスを払拭しようとしがちなのです。
だからこそ、女性の方が日常的に人に対して強気になる人が多いのではないかと思います」
※女性セブン2021年5月20・27日号