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地震予測の東大名誉教授が警鐘「3月下旬頃まで最大限の注意が必要」

今年2月の福島県沖地震も事前に警戒していた村井俊治・東大名誉教授

今年2月の福島県地震も事前に警戒していた村井俊治・東大名誉教授

 

 最大震度6強を記録した福島県地震の8日前(2月5日)、これまで数々の大地震の前兆をとらえてきた測量学の世界的権威で「MEGA地震予測」を主宰する村井俊治・東大名誉教授は自身のツイッターで、こう警鐘を鳴らしていた。

〈ここ数日「どこで」は特定できないですが、大きな地震が起きる可能性のある異常や擾乱(おそらく前兆現象)が見られます。念のためこの1週間は警戒を怠らないで下さい〉

 村井氏が会員向けのメルマガではなく、“公の場”であるSNSで大地震への警戒を呼びかけたのは初めてのことだ。

「東北地方は1月中旬までずっと危険度ランクで上位に入っていたのですが、2月初めにパタッと動きがなくなった。

 大きな異常変動が続いた後に、静穏状態が発生すると、間もなくして大きな地震が起きる。東日本大震災などでも見られた現象ですが、これはあくまで私の経験則によるものなのでどう知らせるべきか悩み、今回は私個人のツイッターで発信することにしたのです。何も起きなければ批判されることも覚悟した上で注意喚起をしました」(村井氏 以下「」内同じ)

抱き続けた「悔恨の念」

 その背景には、この10年、ずっと抱き続けてきた悔恨の念がある。

 村井氏は東大在学中の1960年、ボートの日本代表選手としてローマオリンピックに出場。1983年に東大生産技術研究所の教授に就任し、1992~1996年まではアジア人として初めて国際写真測量・リモートセンシング学会の会長を務めた。

 測量学の世界的権威である村井氏が専門外である地震予測を発信することになったきっかけが、2011年3月の東日本大震災だった。

「私は震災の1か月ほど前から東北地方の地表が異常な動きをしていることに気づき、『これは大地震の前兆ではないか』と考えていました。しかし、世間がパニックになることを恐れて注意喚起ができなかった。予測が外れたら恥をかくのではないかという思いもありました。

 その結果あれだけの犠牲者が出てしまった。人として、研究者として、本当に後悔した。だからこれまでの測量学者としての名誉を失っても、同じ過ちは二度と繰り返さないよう、私の予測を発信することを決意したのです」

 

異常変動全国MAP'21 VOL1

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「号外速報」を配信

 その後、2013年に株式会社地震科学探査機構(JESEA)を立ち上げ、「週刊MEGA地震予測」の配信を始めた。

 同年、本誌・週刊ポストは〈地震予知で特許を取った異端の東大名誉教授〉という記事で村井氏を取り上げ、翌年から、定期的に予測を掲載してきた。

 2016年4月の熊本地震(最大震度7)と10月の鳥取県中部地震(最大震度6弱)では、それぞれ発生3か月前の本誌で「熊本」と「鳥取」を新たな警戒ゾーンとして、警告を発した。2018年9月の北海道胆振東部地震(最大震度7)の発生1か月前もこの地域を6段階評価で上から2番目の危険度であると示していた。

「MEGA地震予測」のベースとなっているのは、国土地理院が日本全国約1300か所に設置した「電子基準点」のGPSデータである。

 そのデータから地表のわずかな動きを捉え、基準点の1週間ごとの上下動を表わす「異常変動」、長期的な上下動を表わす「隆起・沈降」、東西南北のどの方向に動いているかを表わす「水平方向の動き」の3つの主な指標を総合的に分析している。

 さらに昨年、過去1年分のGPSデータを学習型AI(人工知能)にインプットし、直近1週間の地表の動きと比較させることで、地震発生リスクを算出する地震予測を実用化。現在はその予測結果も「MEGA地震予測」に加味されている。

 そんな村井氏は「福島県地震」発生後の2月22日、有料メルマガで初めて場所や時期、地震の規模を明示した「号外速報」を発表し、こう記した。

 

〈複数の解析データに異常が現れました〉
〈エリア:東北地方から北海道の太平洋岸の海域または陸域〉
〈時期:2/22~3/20位〉
〈規模:マグニチュード6.0±0.5〉

 なぜ「号外速報」という形で発表したのか。

福島県地震が起きたばかりですが、その後の様々な異常から、緊迫性が非常に高いと判断し、より強く警戒を呼びかけるべきだと考えました」

 

この「東北・北海道の太平洋岸警戒ゾーン」では、岩手県にある電子基準点「岩手松尾」で9.04cm、秋田県にある「皆瀬」で8.51cm、福島県にある「二本松」で8.26cmの異常変動が観測されている。

「水平方向の動きでも、福島県地震以降、岩手県にある基準点から宮城県の基準点まで海域の1点に向かうような動きが見られる。東日本大震災の数日前にも酷似した動きが見られ、その海域が震源となったため警戒を強めています。

『隆起・沈降』でも宮城県福島県の境目で高低差が広がっており、歪みが大きくなっている可能性があります」

 気象庁は会見で、福島県地震東日本大震災の「余震」としたが、村井氏は「号外速報」で警鐘を鳴らした異常変動をこう分析する。

東日本大震災以降、全国で地表の大変動が起きており、日本列島全体が不安定な状態で、特に東北地方の地表の動きは顕著です。10年前の余震ではなく、新たな地震の兆候だと考えるべきだと思います。3月下旬頃までは最大限に注意していただきたい」